いつまでも芋煮会

小田原系ラーメン解説

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神奈川県小田原市。東京都心から80kmという、微妙に近からず遠からずということと、隣の箱根が全国的に有名な一大観光地ということもあって、どちらかというと影の薄い都市だと思います。

影が薄いと言いましたが、「小田原評定」とか「北条氏の小田原城」という言葉があるとおり知名度は抜群です。ですが、実際に小田原に足を運んで、小田原そのものを知る機会はそれほど多くないはずです。だって微妙に遠くて、いざ足を運ぼうとすると小田原を通過して箱根とか、伊豆に行ってしまうから。

日本全国にあまた存在するご当地系ラーメンですが、この小田原にも、もちろんあります。一般的に「小田原系」と呼ばれています。

「小田原系」といいますが、小田原ではなく湯河原にある「味の大西」(創業1930年とされる)がそのジャンルの発祥と言われます。

「小田原系」の特徴を列挙してみましょう。

2012年7月オープン!「三代目 味の大西」(小田原市荻窪)のチャーシューワンタンメン(950円)。最近小田原系の新店が相次いでいる。そろそろブームが来る兆候か?

・豚のダシがきいた、真っ黒い豚骨醤油のスープ。しかし、見た目に反して味は甘めでまろやか。店によっては醤油を焦がした風味がある。同じ豚骨醤油でも、横浜家系と様相を全く異にする。思うに、カエシはチャーシューの煮汁を使っているのではないだろうか。

・無化調のこの時代に、ばりばり化学調味料を使っている。いや、化調は味を構成する一部にしかすぎないが、これが入っていないと小田原系ではない。

・麺はピロピロで太さがまちまちの平打ち縮れ麺。これがよくスープを持ち上げる。鹹水が少ないのか、伸びるのが早い。湯河原の「室伏製麺」が最大手。

・「ワンタンメン」か「チャーシューメン」を頼まないとモグリと言われる。ワンタンは餃子並みの大きさ。チャーシューに使う肉の部位はよく、味付けは絶妙。ただ、人によってはちょっとしょっぱいと言う人もいる。

餃子並みに大きいワンタン。ショウガがピリリと効いている。小田原系では、餃子の代わりがワンタンである。(三代目 味の大西)

真っ黒に煮られたチャーシュー(三代目 味の大西)。ここのチャーシューは薄いが、他はかなり分厚く切られて提供される。

・メンマは真っ黒になるまで煮られていて、味付けは少々甘い。

・どの店も、量がものすごく多い。

・他に類を見ない高額ラーメン。特に値段が高いと思われるのは、「味の大西 高麗店」「味の大西 真鶴店」「ラーメン大西 松田店」

・「味の大西 湯河原店」を発祥とし、神奈川県西部に何店舗か存在する。しかし、湯河原店の親族でなければ「味の大西」の屋号が使えない、老舗ばかりで、のきなみ店主が高齢化している、閉店する店がぼちぼち出てきている、閉店していなくても営業時間が不定期、などという理由で、いずれ絶滅するのではないかと考えられていた。

・ところが最近になって、大西インスパイアのお店が現れるようになった。また、直系の三代目が「大西」の新店をひさしぶりに開いたりと、最近になって息を吹き返している。

まあ列挙するとこんな感じです。総じて言うと、豚骨醤油の黒いスープのラーメンで、味はまろやかで、あっさりこってり。量は総じて多く、神奈川西部の「二郎」と呼ばれる。ただ、個人的に二郎は一年に一回でいいと思いますが、大西の味は記憶を蘇らせる中毒性があります。客層も、二郎と違って老若男女さまざまです。

写真は、7月にオープンしたばかりの「三代目 味の大西」で「チャーシューワンタンメン(950円)」を頼んだもの。さすが三代目が作っただけあって、現代っ子の感覚が取り入れられた小田原系ラーメンです。三代目、まだ手元が怪しい感じがあるけれど、味は確かだと思いましたので、これから大いに期待しています。できるだけ長く続けてもらいたいものですね。

三代目 味の大西

神奈川県小田原市荻窪299

定休日 金曜日

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